中身モロ出し秘密基地

音楽関係・日記・とても大きな糞などを投稿します

Kくんからのありがたいミンティア

中学3年生の頃。下校時の話。
Kくんからのありがたいミンティア。

 

当時わたしが通っていた中学校のルールでは
家から学校までの距離によって
徒歩通学か自転車通学かが分けられていた。

 

念のため書いたけど
多分今でもどこでも変わらないだろう。
調べるの面倒だからいいや。

 

あまり覚えていないが、Kくんとはよく遊んでいた。
Kくんの家は学校に近いので徒歩通学。
僕の家は遠かったので自転車通学だった。

 

よくKくんと一緒に下校していた。
僕が彼の家まで自転車を押して
二人で喋りながらKくんの家の前まで行き、
そこから少し喋った後、
僕は自転車に乗って自分の家に帰っていた。

 

ある日の帰り道、彼はミンティアを持っていた。
口の中がスースーするタブレットだ。
これ言ったら怒られると思うが、
「安(やす)フリスク」だ。

 

ミンティアというと、
口の中をすっきりさせたり
眠気覚ましみたいな感覚で食べる、
パッケージが青とか黒とかのやつを想像すると思う。

 

だが、彼が持っていたのは、
フルーツの味がするやつだった。

 

当時のことは覚えていないが
珍しかったのだろう。
帰りの道中「ちょっとそれくれ」と言って、もらって食べた。
「うめっ」となった。

 

いつも通りK君の家の前についた。
「最後にそれ(ミンティア)もう一個くれ」と言ったら
「いいぞ」と言ってくれたので、
僕は手のひらを上に向けて彼に差し出した。

 

シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ………………

 

半分は残っていたであろうミンティアの
残り全部を手のひらにあけてくれた。
あれは確か50粒入りだ。
ざっくり、大体25粒を一気に手のひらに乗せられたのは
初めてのことだった。

 

ちなみにその間、
二人とも一言も喋っていなかった。
お互いに我慢比べをしていたのだと思う。

 

笑いを我慢していたところK君は
「ちょっと待ってて」と言い、
通学カバンを持たずにその場に置いて、
家に帰っていった。


僕はミンティア25粒を手のひらに乗せながら
しばらく待っていた。

 

しばらくすると彼が家から出てきた。

 

新品のミンティアのフィルムをはがしながら。

 

お互いに引けなくなっている。
お互いに無言だがもう笑ったほうの負け、
みたいになっていた。

 

シャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカシャカ………………

 

合計約75粒のミンティアが手の上に盛られた。

 

ミンティアは「盛る」ものではない。

 

彼が通学カバンを持たずに家に戻ろうとしたので
僕は「もうギブ」と言い、彼の勝利に終わった。
おそらく彼は3箱目を取りに家に向かっていたのだろう。

 

僕は彼に「ティッシュかなんかくれ」と言い
ティッシュをもらい、
それにミンティア75を包み、
片手で大事に持ちながら帰宅した。

 

その後、それは一粒一粒大事に食べた。

 

そして彼とは今でもよく遊んでいる。